障害が気づかせてくれたこと その2

「文京の教育」の6月号に

 

先月に引き続きコラムを書かせていただきました(^^)

 

 

 

 

 

前回は重度障害の弟がいることで

 

感じたり気づいたことについて綴りましたが

 

今回はその原体験を振り返りながら

 

「笑顔の絶えない家族、常に辛そうな家族の違いや抜け方のポイント」

 

などを書いてみました。

 

 

 

 

こんな思いを元に、笑顔の家庭をたくさん増やしていきたいと日々奔走しています。

 

 

 

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画像だと少し見づらいので

 

本文もアップします。

 

 

 

 

 
弟と今の自分 ②
―障害が気づかせてくれたこと―
 
前回は重度の知的、身体障害を持つ弟がいることで感じたり
気づいたことを中心に綴らせていただきました。
 
今回はその原体験から
今の事業や地域活動などで
大事にしていることを書こうと思います。
 
【地域活動をはじめたきっかけ】
 
今から7年前に文京区に引越てきました。
 
私の生まれは神奈川、妻の生まれは岩手。
 
しかし5年半前に生まれた息子にとっては
生まれ育った地元が文京区。
 
東日本大震災のときに
近所に知り合いがいなかった不安も大きかったのですが
小さな頃から地域にたくさんの友達ができ
多くの大人たちに見守られながら
成長していってほしいという思いから
思い切って地域に飛び出すことにしました。
 
まずは町会に入ってみたり
保育園の役員に手を挙げてみたり。
 
その後子育てサークルの運営や
多世代交流会を社協(社会福祉協議会)職員さんたちと企画したりする中で
気づけばたくさんの家族とのつながりができていました。
 
昨年息子が骨折して1か月入院したのですが
保育園や地域の子育て仲間だけでなく
どこからか噂が広がったようで
区の施設の職員さん、ご近所のお姉さま方など
多岐にわたる方々からありがたいことにお見舞いいただきました。
 
私にいつ何があっても大丈夫だなと思えるくらい
息子は地域の方々に見守られていることに安心した出来事でした。
 
想い返せば不安で孤独な子育てからのスタートでしたが
今では外を移動するたび誰かしら知り合いと挨拶できるようになり
困りごとがあっても地域で支え合えるようになりました。
 
しかし地域活動を通じて新しく知り合う親子の中には
かつての私と同じように不安を抱える方がいらっしゃいます。
 
たくさんの方々に助けてもらって今があるので
楽になった今こそ返していこうという思いから
地域での活動を継続しています。
 
常に新生児とも関われているおかげで
育児スキルも維持できていてありがたい限りです(笑)
 
【“わでかくらぶ”の立ち上げ】
 
転機は障害に対する認識を変えようと
団体を立ち上げたときのこと。
 
日本教育工学研究所・田中保成先生との出会いがありました。
 
教室を生徒がいない時間を
事務所代わりに自由に使っていいよと提供いただきました。
 
田中先生の生徒は何故かみな楽しそうに自ら勉強しており
勉強は嫌々やるものだと思ってきた私には
不思議で仕方ありませんでした。
 
しかしあるとき、受験勉強や試験勉強など
周りと比較され評価されてきたのが
自分は苦痛だったんだと気づきました。
 
比較するのはよその子とではなく、その子自身。
 
その子がどう変化していて
目標に向けてどう向かっているか。
 
その子の過去と今を比べれば
成長しかないんだと気づいたときは衝撃でした。
 
一方で教員の妻や周りの教職員仲間が
多忙で疲弊していく姿も肌で感じました。
 
先生と保護者のすれ違い。
 
そして親と子どものすれ違い。
 
一斉教育故に適応の難しさを感じている子どもたちの苦悩。
 
教育とは畑違いのことをしてきたからこそ
見えた違和感がありました。
 
それぞれに一生懸命頑張っているのに
些細なズレが時間と共に大きなヒビになってしまうんですよね…。
 
子どもは本来何のために、どういう目的で勉強するのか?
 
どうしたら学校生活を楽しめるようになるのか。
 
親子と一緒に考えながら
子どもがその子らしく成長できるサポートをしたい
という想いで
わでかくらぶを設立しました。 
 
【わでかくらぶでの学び】 
 
「わかるおもしろさ、できるよろこび、かんがえるたのしさ」
 
の頭文字を取って【わでか】。
 
塾ではなく、クラブ活動のように
楽しみになる場にしたいという思いを込めて
くらぶと後につけました。
 
学校でも塾でも頑張って勉強しているのだから
家ではリラックスしたいというのは
大人も子どもも同じ。
 
わでかくらぶは家はくつろぐ場所にし
親子でしか学べない、経験できないことに
時間を費やしてほしいと思っています。
 
不登校気味で他の習い事も行けず悩んでいる生徒が
 
「わでかくらぶだけは頑張らなくても行きたくなっちゃうんだよね!」
 
と言ってくれたのが私の自信になっています♪
 
【大事なのは家族の笑顔】
 
前職の通所介護では相談員として多くの家族と関わり
障害に対する支援団体では
多くの障害児を抱える家族と話してきました。
 
そしてわでかくらぶを運営する中で
ある大きな違いと共通することに気づきました。
 
笑顔の絶えない家族、常に辛そうな家族
その違いはどこにあるでしょう?
 
介護との大きな違いは
自分がいなくなったら我が子はどうなるんだろうという不安。
 
高齢者介護は多くの場合親が先に亡くなりますが
子どもとなると逆なので心配になりますよね。
 
わでかくらぶは発達や学習面、学校で悩みを抱える子を
主にサポートしているため
どうしたらこの不安を取り除くことが出来るかを
重点的に見ています。
 
保護者の心配をほぐし余裕が出てくると
不思議と子どもは落ち着きが出てきて
意欲も沸いてくるんです。
 
隣の芝は青く見えるものですが
そもそも生まれたときは健康なだけでありがたいと感じ
首が座っただけでも
つかまり立ちしただけでも
そのたびに感動していたはずなのに
いつから他の子と比べて
不安に思うようになるのでしょう?
 
その延長上に解決の糸口が多く隠されています。
 
親が全て抱え込む必要はありません。
 
ここで共通点ですが
介護においても子育てにおいても
家族だけで完結させないように
うまく「他人の手」を借りることが出来ている家庭には
笑顔が多く見られました。
 
子どもが自立するのに一番必要なのは
人の手を借りる力だと考えています。
 
依存ではなくうまく頼りながら
悩みを一人で抱え込まずに
共有ができる場
自分に合った相談相手や
信頼できる人にいかに出会うかが大事です。
 
また、同じ価値観を共有できる仲間も大事ですが
それ以上に違う世界の仲間と出会うことで
視野も価値観も広がります。
 
ときに傷の舐め合いになってしまっていることも
一歩離れて見てみると意外な解決策に気づけたりするもの。
 
「家族みんなが1年先も10年先も笑顔でいられるためにも
今出来る最善のことについて考えてみませか?」
 
そんな問いかけをしながら
1人でも多くの親子が笑顔になれるお手伝いを
これからもしていきたいと思っています。

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